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里山としての利用と、市民に親しまれた歴史
国内有数のカタクリ群生地、若い自然林としての特徴
開発からの保全活動、旭川市・比布町の買い取り
市民参加で運営するしくみ
 
里山としての利用と、市民に親しまれた歴史
アイヌの人たちの生活の場であった突哨山は明治の開拓以来、木炭を焼いたり、たき木を集めたり、 時には放牧地や畑としても利用された「里山」です。 昔利用された影響が色濃く残る場所があります。カタクリ広場から少し歩くとシラカバ林があります。昔、養分の多い森の土を畑に入れるため、土を採取した跡地だったそうです。表土がなくなった所に、いち早く種が飛んできて一斉に育ったのがこのシラカバだったのでしょう。
また、40年くらい前に地元 の農家の人達が牛や馬の放牧をしていた跡地は、今は広場のようになっていて、牛が踏みつけたのか植物を食べたためか今でもあまり木が生えていません。
突哨山の樹木の年齢を調べると、100年を越す木は少なく、「二次林」といわれる、一度切られた後に再生した自然のようです。
 皆さんが歩く突哨山は、長い人間の歴史と、さらに長い長い自然の歴史が積み重なって今の姿になっているのです。
国内有数のカタクリ群生地、若い自然林としての特徴
突哨山が有名なのは、日本で指折りのカタクリの大群落があるからです。5月はじめ、雑木林の中に、ピンクのカタクリと青いエゾエンゴサクの花が咲き乱れ、エンレイソウやイチゲの仲間も多く見られます。
人の手によって明るい広葉樹林の状態が続き、光や水、土の微妙なバランスの上に、春の花の楽園が成り立っています。
開発からの保全活動、旭川市・比布町の買い取り
今、突哨山の大半は旭川市と比布町が所有する自然公園です。でも、この山が公有地になるまでは、多くの人の努力がありました。一つ間違えば、木も花も消えていたかもしれないのです。
1990年、突哨山にゴルフ場建設の計画が持ち上がりました。開発会社が土地を買い取り、計画を進めようとしたのです。これを知った地元の農家や市民が、「花の山をゴルフ場にするのはもったいない」と、動植物の種類を調べたり、観察会やイベントを開いたりして、突哨山の値打ちを広く知ってもらう活動を始めました。ちょうどバブル崩壊の時期で計画は行き詰まり、開発会社はついに土地を手放すことに したのです。
 市民運動のかいがあって、2000年、市と町がゴルフ場予定地を約150ヘクタール4500万円で買い取ることになりました。
市民参加で運営するしくみ
これからは、市民参加でこの山を守っていくことになります。
2008年春、市民・NPO・行政の3者による「突哨山運営協議会」が発足しました。この協議会は、幅広い市民参加によって突哨山を後世の人々に残すべく保全と活用・管理を協議し提言しています。
2009年から私たちもりねっとが、指定管理者として運営する仕組みができました。
  協議会・行政・指定管理者のパートナーシップ
  保全利活用ゾーニングのための、生態系調査 (調査計画〜実施報告)
突哨山を今後どのように見守っていくかを考えるために、どんな生き物がいるかを調べます。
その後、そのままにしておく場所、手を加えたほうがいい場所を区分けします。
一年目の今年は、春植物調査・夏植物調査、樹木調査、遊歩道の踏み付け調査を予定しています。
 
 
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